窯元の受注・製造業務を想定した架空の場面です。窯出しを終えた朝。製造担当のロット表には数量が入り、営業事務の手元には問屋の注文書、百貨店の納品予定、自社ECの受注一覧が並んでいます。検品待ちの器をどの注文に回せるか、電話で確かめるところから仕事が始まります。
「この窯から出た分、どの注文まで返事をしていい?」
Claude Codeを窯元で使う入口は、記録を照合し、確認する行を取り出すことです。この記事では、窯元・陶磁器メーカーのAI活用7選を紹介します。依頼文の例、始め方、費用、顧客情報の扱いまで説明します。
- 最初は、品番と焼成ロット番号を使った確認表づくりから試します。
- 原本を保管し、個人情報を除いた作業用コピーと承認設定を用意します。
- 良品の判定、出荷可否、納期、安全・表示・金額は人が確認します。
株式会社AI-LEAP 代表取締役
田島 一樹
雑貨ブランド(D2C)と陶磁器メーカーの開発・集客を支援|大手人材サービス企業のエンジニア向けAI研修を担当
顧客管理などの業務アプリを、初回の打ち合わせから動く画面で設計し、現場の使い方に合わせて仕上げる進め方が強み。Instagram・公式LINEの運用を売上データとつなぐ集客支援も行う。自社の顧客管理・日程調整の仕組みもAIで内製し、毎日使っている。
Claude Codeとは?窯元・陶磁器メーカーでの使い方
Claude Codeは、Anthropicが提供するプログラムづくりを支援するAIツールです。ファイルを読み、編集し、コマンドというパソコンへの命令を実行できます。日本語で目的を伝え、確認表を作る処理や、連絡文を整える作業を頼む使い方が考えられます。出典Claude Code公式概要
CSVは表のデータを受け渡すファイル形式です。必要な列を書き出し、作業用フォルダで扱う方法から試します。
既製の業界向けシステムを使っているなら、受注や在庫の正式な記録はそこに残します。Claude Codeは、そのシステムを置き換える前提ではありません。製造側の紙から転記した表と、営業側の出力データの間にある「つなぎ目の表・確認作業」を作る用途です。契約だけで受注・在庫・ECサービスに自動接続されるわけではなく、連携には別の設計が必要です。
窯元・陶磁器メーカーのAI活用は、情報が散らばる3か所から考える
1.卸・百貨店・自社ECで、注文の記録が分かれる
問屋の注文書、百貨店との納品調整、自社ECの受注データ。それぞれに品番、数量、希望日があっても、列名や更新時点が違います。電話で変更を受け、その内容が元の注文表に戻っていない場面も想定できます。
2.焼成ロット、検品結果、完成品在庫が別々に動く
ここでは、焼成のまとまりを「焼成ロット」、それを識別する番号を「焼成ロット番号」と呼びます。窯出しの記録があっても、その数がそのまま出荷できる数になるわけではありません。製造途中の仕掛品、検品待ち、良品、不良品、引当済みを分けて見ます。引当とは、注文のために在庫を取り置くことです。
陶磁器メーカーの在庫照合では、合計の一致よりも状態の違いを先に整理します。「在庫」という列が完成品だけを指すのか、検品待ちも含むのかを明文化しましょう。AIに同じ意味だと推測させず、製造担当が使う区分を渡します。
3.問屋に渡す仕様と写真、展示会での約束が離れている
問屋向けの商品台帳は更新したのに、写真フォルダには古い仕様の画像が残っている。展示会で説明した内容は営業のメモにあり、製造への確認事項は別の紙にある。こうした場面では、商品情報と商談の記録を品番でたどれるようにします。

Claude Codeを窯元・陶磁器メーカーの仕事に活用する7つの方法

以下は実績の紹介ではなく、業務への活用案です。依頼文のファイル名は練習用の例です。利用を認めた情報に絞り、実際の列名に合わせてください。氏名や連絡先を除き、顧客や担当者は番号で扱います。番号と実名の対応表はAIに渡しません。
利用環境が未整備なら、実取引に結び付かない練習表を使います。依頼文の禁止事項は、権限設定と人の確認も組み合わせて運用します。
| 活用する仕事 | 最初に受け取る成果物 | 人が確認する点 |
|---|---|---|
| 卸・百貨店・自社ECの注文整理 | 受注確認表と変更候補 | 注文番号、単位、取消・変更 |
| 焼成ロットと在庫の照合 | ロット別の数量差異表 | 検品、引当、現物、出荷可否 |
| 問屋向け商品台帳の整備 | 仕様一覧と不足項目 | 寸法、容量、産地、用途表示 |
| 品番と商品画像の整理 | 画像対応表と欠落候補 | 品番との対応、使用権、仕様 |
| 展示会後の商談整理 | 商談別の未決事項表 | 実際の合意、連絡希望 |
| 窯出しの連絡文作成 | 進捗連絡の下書き | 検品状況、納期、宛先 |
| 欠品の連絡文作成 | 欠品案内と確認事項 | 代替品、価格、納期、送信 |
※効果は事業者により異なり、成果を保証するものではありません。
1.卸・百貨店・自社ECの注文を確認表にする
注意点
電話で受けた変更は人が記録してから渡します。
2.焼成ロットと検品・在庫の記録を突き合わせる
注意点
空欄をゼロに変えると、未記録を欠品と取り違えます。ロット番号が一致しても、現物や品質の確認は省けません。窯出し数と良品数の差を、そのまま不良数と決めないでください。
3.問屋向け商品台帳に、確認済みの仕様をそろえる
注意点
産地や性能、価格は根拠資料を基に人が確定します。食品衛生法への適合は、台帳の記載だけで証明できません。実製品と試験成績書、適用規格の対応を品質管理担当が確認します。
4.商品画像を品番に結び付け、欠落と重複候補を出す
注意点
別方向の写真もあるため、重複と決め付けません。色の再現、現行仕様との一致、画像の使用権は人が確認します。
5.展示会の名刺と商談メモから、製造への確認事項を整理する
注意点
名刺の画像には氏名やメールアドレスが含まれます。そのまま練習に使わず、人が必要な項目だけを取り出してください。同じ会社の別担当者を統合せず、合意と連絡希望を確認してから営業が対応します。
6.窯出しの進捗を、検品状況と分けて連絡文にする
注意点
焼成終了を出荷完了に言い換えないでください。検品待ちの数量を納品可能数として案内することも避けます。
7.欠品と代替候補の連絡を、未確定の条件を分けて下書きする
注意点
似た器でも同じ用途や条件で使えるとは限りません。代替の可否と金額は人が確認します。自社ECでは表示中の送料、引渡時期、返品条件との整合も確認し、公開前に点検してください。
窯元・陶磁器メーカーがClaude Codeを始める4ステップ
ステップ1.試す仕事と、使う人・確認する人を決める
ロット表の照合など答え合わせができる仕事を選びます。営業事務が操作し、製造担当が数量区分を確認するなど、役割を決めます。契約・学習設定・保存先も確認してください。

Pro・Maxは契約したClaudeアカウントで認証します。APIはプログラムからAIを呼び出す接続方法で、請求経路が異なります。
ステップ2.パソコンの条件を確認し、公式手順で導入する
ここではターミナルという、文字で操作を指示する画面を使います。この方式をCLI版と呼びます。公式の条件はmacOS 13.0以降、Windows 10 1809以降などです。メモリ4GB以上、x64またはARM64のプロセッサー、インターネット接続が必要です。ほかの対応OSと最新条件も公式セットアップで確認してください。
WindowsはPowerShellを開き、公式の次のコマンドを入力します。
macOS・Linux・WSLでは次を使います。WSLはWindows上でLinux環境を使う仕組みです。自分の環境に合う方だけを実行します。
導入後は、次のコマンドでバージョンが表示されるか確認します。
ステップ3.kamamoto-ai-testに練習用コピーを置いて起動する
パソコンのファイル管理画面でkamamoto-ai-testというフォルダを作ります。原本をバックアップし、利用を認めた作業用コピーだけを入れてください。出力先のoutputフォルダも分けます。氏名、配送先、連絡先、実名との対応表は入れません。
次の「フルパス」は、そのフォルダの場所を先頭から記したものに置き換えます。cdは作業場所を移す命令です。起動後、画面の案内に沿って認証します。この例では、人の承認を使うManualモードを指定します。
ステップ4.元の行と照合し、続けて使う条件を残す
合計だけでなく、除外された行や「要確認」に残った行も見ます。
窯元・陶磁器メーカーで利用を続けるか検討する際は、区分の意味と修正担当を記録し、確認の手間も含めて評価します。
Claude Codeの費用は月額料金と利用上限を分けて考える
次は2026年10月12日に確認した公式の米ドル表示です。表示価格に適用税は含まれません。円換算や日本向けの税込総額ではなく、契約時の表示で支払額を確認してください。
| プラン | 公式表示・支払い条件 | 確認する点 |
|---|---|---|
| Free | $0 | Claude Codeを含まない |
| Pro | 月払い$20。年払い$200を一括請求、月換算表示$17 | Claude Codeを含む。年額は$17×12ではない |
| Max 5x | 月払い$100 | 利用上限あり |
| Max 20x | 月払い$200 | 利用上限あり |
| Team Standard seat | 年払い$20/席/月、月払い$25/席/月 | Claude Codeを含む。Teamは2~150人向け |
| Team Premium seat | 年払い$100/席/月、月払い$125/席/月 | Standardより利用枠が大きい |
| Enterprise | 年払い$20/席/月+API料金での使用量課金 | 席料金だけでは総額にならない |
| API経由 | 使用量に応じたAPI料金 | Pro・Maxの契約料金とは別体系 |
出典:Anthropic公式料金表、Maxの料金説明(確認日:2026-10-12)。Maxの表記はWeb契約向けで、モバイル経由は異なる場合があります。
Pro・Maxでは、チャットのClaudeとClaude Codeが利用枠を共有します。利用上限があるため、急ぎの納期回答をAIの処理だけに依存させない運用にします。
パソコンの設定項目である環境変数にANTHROPIC_API_KEYが入っていると、APIキーが優先され、API料金が発生します。Max付帯の月次APIクレジットも、Claude CodeやClaudeアプリの追加利用には使えないと説明されています。請求経路と追加利用の条件は公式の認証・課金案内で確認してください。
公的支援には「デジタル化・AI導入補助金2026」があります。製造業も対象に含まれますが、申請要件があり、登録されたITツール等が対象です。Claude Codeの利用料や株式会社AI-LEAPへの依頼費が対象になるかは確認できていません。契約前に、対象ツール・経費を窓口に確認してください。制度概要・対象者の条件
社内で検討するときは、7つの活用例と公開事例を1冊にまとめた無料資料もお使いください。
顧客・取引先担当者の情報と元データを守る5つの確認
1.有料かどうかに加え、学習利用の設定を見る
個人向けのFree・Pro・Maxでは、モデル改善の設定がオンの場合、Claude Codeの利用分も学習に使われます。Team・Enterprise・API等の商用条件では、顧客がモデル改善用の提供を選択した場合を除き、学習に使わないと説明されています。
手元のパソコンで動かしても、AIとのやり取りはネットワークで送信されます。学習不使用は、外部送信や保存がないという意味ではありません。契約・設定ごとの保存条件や、ローカルの会話記録も確認してください。出典公式データ利用方針

2.名刺や注文から、作業に不要な個人情報を外す
自社ECの配送先や電話番号、名刺の担当者名・メールをそのまま渡しません。商談メモの本文にも氏名が残っていないか確認します。受注整理の練習には、実取引に結び付かない架空データを使ってください。
番号で扱っても、ほかの情報と容易に照合して本人が分かる場合は個人情報に当たり得ます。商談メモに病歴などがあれば、要配慮個人情報に当たる場合もあります。名刺や注文情報がすべて該当するわけではありません。出典個人情報保護法
3.原本、作業用コピー、出力先を分ける
受注原本と在庫原本をバックアップし、コピーで試します。原本を管理し、番号との対応表も作業場所から外します。出力には対象期間と参照元を残します。
専用フォルダだけでは技術的なアクセス制限は完成しません。許可する操作の範囲も確認します。
4.承認画面の操作対象と内容を読む
Manualモードは編集やコマンド実行などの承認を求めますが、組み込みの読み取り専用操作などは承認なしで動きます。許可ルールや組織設定でも挙動が変わります。「変更しない」という依頼文だけに頼らず、対象ファイルと処理内容を読んでから承認してください。公式の安全対策・権限設定
5.利用目的、結果の確認者、送信担当を決める
個人情報保護委員会は、個人情報を入力するときに利用目的の達成に必要な範囲か確認するよう求めています。本人同意なく個人データを入力し、応答以外の目的で扱われる場合などへの注意も示しています。学習設定だけで入力可能と決めず、利用目的、契約、保存先、権限を人が確認します。出典生成AI利用の注意喚起
窯元・陶磁器メーカーの最終判断は人に残す
AIの一覧を判断材料にして、現物・約束・試験資料を担当者が確認します。
- 良品・不良品と出荷可否:製造・検品担当が現物、検品結果、引当を確認します。表の数が合うだけでは実在庫も確定しません。
- 食品に触れる器の安全と規格:品質管理担当が用途、実製品、試験成績書、適用規格を照合します。AIに法令適合を判定させません。
- 商品表示と画像:寸法、容量、産地、材質、耐熱性、使用条件、画像の使用権を根拠資料で確認します。写真から性能を推測しません。
- 納期・代替品・金額と対外連絡:製造と営業が調整し、価格、送料、返品条件、宛先まで人が確認して確定します。

食品衛生法では飲食器も「器具」に含まれ、規格・基準に合わない器具等の販売や販売目的の製造等が規制されています。鉛・カドミウムの規格も、用途や形状、試験条件との対応を人が確認します。食品衛生法・器具・容器包装の規格Q&A
商品説明では、産地・性能や価格の根拠を確認します。自社ECの消費者向け通信販売では、販売価格・送料、支払方法、引渡時期、返品条件等の表示と最終確認画面も確認対象です。表示に関するQ&A・通信販売の規制
窯元・陶磁器メーカーの公開事例から見えること
今回の調査では、窯元・陶磁器メーカーによるClaude Code活用の一次発表は見つかりませんでした。以下はClaude Codeの事例ではなく、デジタル化の公開事例です。生成AIによる同じ成果を示すものではありません。
- 光洋陶器:多治見商工会議所の視察レポートでは、在庫減少から生産計画、原料発注、実績集計、在庫反映までの工程の半自動化を紹介しています。受注のEC化で取引先が在庫数や商品仕様を確認できる点も報告されています。商工会議所の視察レポート
- 香蘭社:佐賀県産業スマート化センターのインタビューは、電話での在庫・納期確認や紙伝票の課題、伴走支援での業務整理を紹介しています。全工程の可視化やFAXの文字データ化は、記事中の構想・今後の取り組みであり、達成済みの成果ではありません。センターの公式事例
- 晋六:京都市産業技術研究所は、手作り原型を3Dスキャンし、形状を整え、3Dプリンター出力から石膏型、鋳込み成形、焼成へ進めたカレー皿の商品化を紹介しています。製品開発の事例で、受注整理や生成AIの実績ではありません。研究所の支援事例
窯元・陶磁器メーカーの業務効率化は、答え合わせができる仕事から始めます。
Claude Codeを窯元で使う際のよくある質問
窯元のClaude Code活用は、ロット表の確認から始める
品番・ロット番号・数量・状態をそろえた練習表から始めましょう。照合結果を製造担当と見て、どの記録が不足しているかを確認します。検品と出荷判断を人に残したまま、使える確認表を育てていきましょう。
※効果は事業者により異なり、成果を保証するものではありません。
御社のロット表や問屋向け台帳から使い道を整理したい場合は、株式会社AI-LEAPへの相談をご利用ください。
AI-LEAP
窯元・陶磁器メーカーの現場のAI活用を、
動く画面から一緒につくります
AI-LEAPは、顧客管理・日程調整などの社内ツールもClaude Codeで内製し、毎日使っています。お客様への開発も同じ進め方で、先に動く画面をお見せしてから要件を詰めます。
効果は企業により異なり、成果を保証するものではありません。実績の詳細は実績・導入事例、支援内容はサービス一覧をご覧ください。
参考資料
- Anthropic:Claude Code概要(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:動作条件と導入(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:ターミナルの手順(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:起動コマンド(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:権限設定(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:安全対策(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:データ利用方針(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:料金表(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:Maxの料金(確認日:2026-10-12)
- Anthropic:Pro・Maxの認証と課金(確認日:2026-10-12)
- e-Gov:食品衛生法(確認日:2026-10-12)
- e-Gov:食品衛生法・確認用API(確認日:2026-10-12)
- 消費者庁:器具・容器包装の案内(確認日:2026-10-12)
- 消費者庁掲載:鉛・カドミウム規格のQ&A(確認日:2026-10-12)
- 消費者庁:表示に関するQ&A(確認日:2026-10-12)
- 消費者庁:通信販売の規制(確認日:2026-10-12)
- 個人情報保護委員会:生成AI利用の注意喚起(確認日:2026-10-12)
- 個人情報保護委員会:注意喚起の本文(確認日:2026-10-12)
- e-Gov:個人情報保護法(確認日:2026-10-12)
- e-Gov:個人情報保護法・確認用API(確認日:2026-10-12)
- 多治見商工会議所:光洋陶器のDX視察(確認日:2026-10-12)
- 佐賀県産業スマート化センター:香蘭社の業務整理(確認日:2026-10-12)
- 京都市産業技術研究所:晋六のカレー皿製作(確認日:2026-10-12)
- デジタル化・AI導入補助金2026:制度概要(確認日:2026-10-12)
- デジタル化・AI導入補助金2026:対象者(確認日:2026-10-12)




